キル・ビル Vol.2

う〜む、なるほど。
「vol.1とvol.2は全く違う映画」というタランティーノの言葉通りでした。
vol.1はタランティーノ色全開のヴァイオレンス・アクション。
vol.2は殺し屋同士の純愛物語。
「レオン」でも深い愛情の様が描かれましたけど、
殺し屋というのは標的に非情な分だけ、
自分が愛情を向ける相手にはとことん深い深い愛情を示すものなのかも。
vol.1が如何にもな血糊とアクション満載な作りだったので、
「お腹一杯」でvol.2には興味を示さない人もいるでしょう。
正直言えば自分もそうです。
ところが良い意味で裏切られた別の作りでした。
もちろんヴァイオレンス・アクションもありますが、
そのアクション・シーンに至るまでの思いの深さが重要なのでしょう。
タランティーノらしくない」という向きもあるみたいですけど、
今までの彼の作品を分解して長尺にするならば、
こういう愛情や感情の描き方があって当然とも思えます。
たとえば「レザボア・ドッグス」。
サイドストーリーがあったなら、おそらく彼ら同士の複雑な感情や愛情が描かれるはず。
むろんこの作品では愛情故に彼女は夫となる人も子供も奪われ、
凄惨なリンチを受けて昏睡状態になったことが発端であり、
その愛情を描かずしてストーリーは成り立ちませんから。
だからこそvol.1だけではよくわからずに「面白くない」と思えてしまうかも。
vol.1、vol.2ともにタランティーノらしい台詞回しやちょっとした笑いも足りませんが、
これは二作で一つの壮大なラブ・ストーリー
GW中閑な方はぜひどうぞ。
それにしてもタランティーノの音楽センスは最高。
ロド君の音楽も最高なら、「怨み節」も良いですねぇ。
思わずエンドロールで歌っちゃいましたよ(笑)<「怨み節」
梶芽衣子全曲集

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